早発閉経は、まだ閉経年齢にならない20歳代、30歳代で、卵巣年齢が閉経年齢に達してしまっている状態をいいます。
月経が始まった頃から月経周期が不順で、高校を卒業する頃には1年に2回〜3回ぐらいしか月経が来なくなり、20歳代前半位からは完全に月経がなくなってしまうという経過が、典型的な早発閉経の患者さんの辿る道です。なかには原発性無月経といって、月経が一回も来ないという方もいます。こういった方も早発閉経の範疇に入ってきます。
最近では、20歳代から30歳代に卵巣嚢腫(特にチョコレート嚢腫)の手術を行なっているという方も増えてきています。30歳代の後半から月経が不順となり、止まってしまうという経過を辿って、早発閉経と診断される患者さんなどです。
診断・検査方法
診断は、月経の経過確認とホルモン検査で行ないます。早発閉経の患者さんでは卵巣が機能していないため、卵巣を刺激する下垂体からのホルモンであるFSH、LHが極めて多量に放出されています(50歳くらいで通常の閉経を迎えた患者さんも同様です)。この値を測定することにより、診断はつきます。
また、確定診断のためには腹腔鏡検査を行ない、卵巣が萎縮していることを確認します。さらに卵巣組織の一部分を生検して、この中に原始卵胞(卵の大元)がなくなっていることを確認することが必要になります。しかし、腹腔鏡検査を行なって確定診断をつけても治療方針には何ら変わりがないため、単に研究のためだけの検査となってしまいます。このため、希望される患者さんは別ですが、当院ではこの適応だけでの腹腔鏡検査は行なっていません。
早発閉経の患者さんのなかには、抗卵巣自己抗体という特殊な抗体が陽性になってしまっているために、発症している方もいます。この場合には、ステロイド剤を用いることによって排卵がおきることがあります。しかし、この自己抗体をもっている患者さんは少数で、多くは治療に反応しない、いわゆる難治性の早発閉経です。
治療方法
まず、下垂体ホルモンを正常レベルまで下げるために、カウフマン療法といわれる治療(通常の月経周期がおきるように、エストロジェンとプロゲステロンを投与する方法)を行ないます。その後に、HMG製剤を大量に投与するような強力な治療が必要になります。通常使用するHMGは150IUという量なのですが、これを450IU〜600IU連日投与する(保険は適応外のため私費扱いとなってしまいます)という方法です。この治療を最長で2週間続けます。
また、この治療法にナサニールのようなGn-RH analogueを加えて、自分自身の下垂体ホルモンを完全に抑えた状態にし、外因性のHMGのみで誘発を行なう場合もあります。
2〜3カ月あけて、上述の治療方法を繰り返します。これでも卵胞の成長が認められない場合、これ以上の治療方法はありません。
早発閉経の患者さんを看ていると、1年にほんの1〜2回排卵するという場合があります。その場合にはカウフマン療法を間に挟みながら、排卵が来るのを待つというウェイティング療法も行なっています。
何回繰り返しても排卵がおきない場合には、自分の子供は諦めていただくよりほかはありません。それでも妊娠を希望する場合には、ドナー・エッグでしか妊娠の可能性はありません。

