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不妊治療について  ー 原因となる疾患

卵巣嚢腫

8.卵巣嚢腫
 卵巣嚢腫とは,卵巣に水などが貯留している疾患で,様々な種類の卵巣嚢腫があります.卵巣には子供が生まれてくる素の組織,頭から足の先まで全身の組織に分化していく素になる様々な細胞があり,これが異常分化して多種多彩な卵巣嚢腫ができあがります.さらに,それぞれの腫瘍が良性から悪性まで10段階に分類されているため,実に極めて多彩な卵巣嚢腫に分類されています.しかし、一般的によく見かける卵巣腫瘍は,単純に水がたまっている単純嚢腫(simple cyst),前述の古い血液をためているチョコレート嚢腫,油や髪の毛,歯等の皮膚成分が含まれている類皮嚢腫(dermoid cyst)の3種類です.

 基本的には不妊の原因とはなりませんが,できている部位または嚢腫の種類(たとえば前述のチョコレート嚢腫)によっては原因と考えられる場合もあります.
 根治を考えると,手術療法が1st choiseになりますが,嚢腫を摘出するためにはどうしても健常部分も多少は切除せざる終えず,このためにもたらされる卵巣実質の減少,卵の減少,手術後の癒着による2次的な不妊症が問題となります.このため,卵巣嚢腫がある場合には,その腫瘍が日常生活を妨げるような臨床的な症状を引き起こしている場合にはその限りではありませんが,経過観察を行うことが一番の選択となります.嚢腫の種類によっては前述もした超音波下嚢腫穿刺吸引術が侵襲も少なく,姑息的ではありますが有効な場合もあります.ただし,超音波検査,MRI,血液検査などで悪性が疑われる場合には,妊孕性の温存も考えながら手術療法が必要です.
 また,まれではありますが,チョコレート嚢腫,類皮嚢腫の場合には40歳代の半ば頃より悪性に転化していく場合があることが知られています.妊娠するしないに関わらず,上記と診断された患者さんは半年に一度は婦人科で定期的な検診を受けられたほうがいいです.