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不妊治療について  ー 原因となる疾患

子宮内膜ポリープ

9.子宮内膜ポリープ(単純性子宮内膜増殖症,複雑性子宮内膜増殖症)
 子宮内膜ポリープは子宮内膜の基底層に,局所的にホルモンの感受性の高い部分が発生し,この部分に対するホルモン(女性ホルモン,エストロジェン)の刺激に基づく過形成が原因で,子宮の内腔にとびだす形でできるものです.局所的にホルモンの感受性の高い部分ができてしまうその原因は,現在のところは,はっきりとは分かっていません.この疾患は臨床的にはすべて子宮内膜ポリープとしてまとめてもいいと私は考えていますが,病理学的(顕微鏡で組織を詳しくみた際の診断)には,子宮内膜ポリープ,単純性子宮内膜増殖症,複雑性子宮内膜増殖症などと区別して診断されます.子宮内腔の一部に限局してでき,やや妊娠しにくい状態になっている方(子供ができない絶対の原因ではありません)から,子宮内腔全体がポリープに覆い尽くされ不妊の絶対的な原因になっている方まで幅があります.

 よく"子宮内膜ポリープがありますよ."というと,"悪性のもの(癌)なんでしょうか."と心配される方がいらっしゃいますが,この疾患は癌とは異なります.しかし,この病気があると,正常の子宮内膜でないために,卵管で受精した受精卵が子宮内にもどってきてから,着床する事ができず妊娠が成り立ちません.

 この疾患は不妊症を専門にしている病院でも注意してみている医者はごく少数で,隠れた大きな不妊の原因になっていると私は考えています.他医院においてなかなか妊娠しないと当院にやってくる患者さんの10%位の方は,これが原因で,治療することによりすぐに妊娠する方もいます.他院で何回も体外受精を行っていて,なかなか妊娠しないと言ってやってくる患者さんの中にもこの疾患は散見されます.不必要な体外受精をされていて,体外受精をしなくても妊娠する方もいらっしゃいます.また一方で,本当に体外受精が必要な方の,体外受精失敗の原因にもなります.
 診断は超音波検査で可能です.但し診察の時期のより,診断できないこともあります.排卵の少し前の時期でないと正確には診断できません.当院では超音波検査で子宮内膜ポリープの疑いのある患者さんは,子宮鏡検査を行い,確定診断しています(これも排卵の少し前の時期にしかできないので予約の手術になっています).肉眼的に子宮の中を観察するにより正確に診断し,診断が正しければ,子宮鏡下に子宮内膜ポリープを切除します.日帰りでできる手術です.
 子宮鏡検査は,膣から子宮の入り口を通してスコープを入れ,肉眼的に子宮内腔の状態,子宮内膜状態を確認するためにおこなう検査です.この検査は,局所麻酔でも可能な検査ですが,検査のあとほとんどの方がポリープ切除を必要とするため,静脈麻酔をかけて 1:00 p.m.頃からおこなっています.このため麻酔が覚めて帰宅できるのは4:00-5:00頃となってしまいます.