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不妊治療について  ー 原因となる疾患

乏精子症・無精子症

10.乏精子症・無精子症
 御主人が原因となる不妊症です.最近は以前に比べて頻度が高くなっています.一つには,不妊症が一般的に認知されてきていることに関係して,今までは女性の病気と考えられていた不妊症の検査に,男性も参加するようになってきたことがあると思われます.一方で,最近明らかになってきた,レイチェルカールソンの名著"沈黙の春"や,シーア・コルボーン"奪われし未来"に詳しく述べられている,いわゆる環境ホルモンの問題が一つの原因になってきていると思われます.
 治療方法には,まず薬による治療方法があります.しかし,漢方薬からはじまって循環改善剤,ビタミン剤など,精子の数を増やすといわれているいろいろの薬がありますが,どれもはっきりと有効性のあるといえるものはありません.唯一,科学的な検証に耐えて有効性があると考えられているのはビタミンEだけです.精子の形成刺激は下垂体ホルモンのFSHによってなされるため,FSHのレベルをあげる方法も考えられます.これには,女性と同じようにクロミッドを使用する方法と,HMG療法があります.しかし保険の適応がありませんので,すべて私費扱いになります.また,飛躍的な改善はおきないので,最近私はこの治療を積極的には行っていません.
 乏精子症の程度にもよりますが,人工授精が次に選択すべき治療方法になります.つぎが体外受精,さらに顕微授精が選択されます.運動率によっても一概にはいえませんが,精子の数が1000万/mlを切っていれば人工授精では妊娠はむずかしく,100万/mlを切っていれば体外受精でも受精はむずかしいと考えられます.無精子症の患者さんの場合には,以前はAIDといって全くの赤の他人の精子を子宮の中にいれるという方法がされていました.しかし現在では無精子症の患者さんでも,精巣上体や睾丸から直接に精子を採取して顕微授精という方法を用いれば,御主人にとっても自分自身の子供を持つことが可能になりました.無精子症の方は,診察と血液検査をさせていただければ,精子を採取することができるか否か判定できます.