HOME / リプロダクションセンター / 不妊治療について / 原因となる疾患 / 抗精子抗体陽性
   d  d  d

Suwa Reproduction Center

不妊治療について  ー 原因となる疾患

抗精子抗体陽性

11.抗精子抗体陽性
 抗精子抗体は,精子に対する抗体です.この抗体が,女性の体の中で作られてしまった場合に,絶対不妊(体外受精でしか妊娠しない)の原因になります.

 抗精子抗体には,抗精子凝集抗体と抗精子不動化抗体があります.抗精子凝集抗体性には,精子の頭部と頭部をくっつてけてしまう抗体,精子の頭部と尾部,精子の尾部と尾部をくっつけしまう抗体があり,大きな精子の凝集塊を作ってしまうために,精子の子宮内への進入が妨げられてしまい,妊娠が成立しません.抗精子不動化抗体とは,精子の尾部(精子の尻尾)に働き,精子がふれたとたんにその運動を止めさせてしまうもので,運動性のない精子には自力での受精能力はありませんので,妊娠は成立しません.不動化抗体も何種類かあることが知られています.
 この検査は血液検査で可能です.本来はすべての患者さんの抗精子抗体の検査を行う必要があるのですが,この検査は保険適応が認められていないため(保険行政の不妊症に対する差別を感じます)当院では1万円が必要な検査となってしまいます.このため,当院では,性交後検査(排卵日に御主人とsexしていただき翌日に患者さんの頚管粘液の中にが御主人の精子が入り込んでいるかどうか調べるもの)不良の場合にのみ検査することにしています.
 以前はコンドーム法といって,性交の際にはコンドームを用いて女性が精液にふれない期間を設けることによって,抗体価が下がり,自然妊娠可能といわれていましたが,過去の遺物の治療法であり,現在は体外受精のみが有効な治療方法です(体外受精の絶対適応).
 また,この抗体は男性にも証明されることがあります.本来,男性の体の中においては,精子と自分自身の血液とは関門があって絶対に接触しないようになっているものです.しかし,精巣,精巣上体,精管に炎症があって,精子が直接血液と接してしまうと,抗精子抗体ができあがってしまいます.精液検査で精子の凝集反応として認められます.こういった場合,精子の凝集塊があっても,freeで動いている精子がたくさんいれば,自然妊娠も可能ですが,ほとんどの精子の運動性がなく凝集しているのであれば,顕微授精を用いた体外受精でしか妊娠は不可能です.